症状のご相談
(腰痛症の原因・治療)

腰痛症

腰痛症とは、
どのような病気なのでしょうか。
原因や症状、予防の仕方、
検査や治療法などについてお伝えします。
腰痛症について詳しく知って
早く治しましょう。

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腰痛症(ようつうしょう)とは?

腰痛症は、腰が痛くなる病気です。ただし、ある特例の症状を指すわけではなく、腰痛を引き起こすさまざまな疾患の総称です。腰痛は、さまざまな理由によって起こります。特に多いのは、腰の骨に負担がかかることで神経を圧迫し痛みが起こるケースですが、感染や炎症、腫瘍、がん、ストレスによって腰痛が発症することも少なくありません。

また、原因となる疾患によって、腰の痛み方もさまざまです。腰を曲げると痛い、疲れたときだけ腰が痛む、腰からふくらはぎにかけてしびれる、突然刺すような痛みが出て動けなくなる、発熱を伴って動けなくなるなど、患者さんによって違います。

腰痛を治すために大切なのは、まずは原因を探ることです。そして、それに合った適切な治療を行うことです。あなたの腰の痛み方は、どんな症状でしょうか? それによって治療法も変わってきます。腰痛症について知って、一緒に治し方を考えていきましょう。

腰痛症画像1

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腰痛の原因となる病気

腰痛の原因には、さまざまなものがあります。一般的に多く見られるのは、腰椎椎間板ヘルニア、骨粗鬆症、坐骨神経痛という3つの疾患です。

□その他の原因

腰痛には、他にもさまざまな原因があります。背骨の骨折・ぎっくり腰などによる急性腰痛、脊椎炎(せきついえん)・脊椎カリエスなどの炎症、がんなどの腫瘍性の疾患、胃腸・膵臓・肝臓などの内臓疾患、子宮などの婦人科の病気、ストレスによる心因性の腰痛、職業病に由来する腰痛など、数え切れないほどあり、それぞれ治療法も異なります。

だからこそ大切なのは、腰痛が続いたときは、病院に行って、できるだけ詳しい症状を伝えることです。痛みの原因をきちんと探ることから、腰痛症の治療は始まるのです。

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腰痛は根治が難しい?

当クリニックには「他院で腰痛の治療を受けていたけれど、なかなか治らない」と言って来院される方がとても多くいます。「整骨院でマッサージを受けても、その場は楽になるものの、次の日からまた痛い」「整形外科で、電気を流して、飲み薬や湿布をもらっているけれど治らない」など、他院で腰痛の治療を受けてもなかなか痛みが取れないとのことで、私たちのところにいらっしゃるケースがほとんどです。

なぜ腰痛は、なかなか治らないのでしょうか。患者さんは一人ひとり症状が微妙に違います。ある患者さんには合っている治療法でも、別の方には合わないこともあります。ところが、手間をかけて個別に治療しても、我が国の保険制度ではその手間賃は発生しません。だから多くの病院やクリニック・整骨院などでは、そこまではできないのです。

腰痛は根治が難しい、なかなか治らないというイメージがありますが、決してそんなことはありません。多くの場合は、腰痛の原因を見誤っていたり、適切な治療を行なっていないだけなのです。患者さん一人ひとりときちんと向き合って、症状に合った治療をしていけば、短期間で治すことも可能です。

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腰痛症は「腰」だけが悪いわけではありません

人は立位歩行(立って歩く)している以上は、腰、骨盤、膝、足関節、すべてに負担がかかってしまいます。約3kgもの重量がある頭を1日10時間以上もずっと支えているのです。腰痛の方は、腰のみが悪いのでしょうか?

実は、そうではありません。姿勢そのものの変化が、関節への負担を高め、「筋緊張」と呼ばれる筋肉の収縮を引き起こしたり、「不均等」と呼ばれる筋肉が偏った使われ方をする状態を招いたりして、腰に痛みやしびれを引き起こすケースが多いのです。

腰痛は、ほとんどの場合、日常の何気ない姿勢や動作によって引き起こされます。腰に負担をかける行動を避けることによって、椎間板ヘルニアなどの発症を防ぐことができます。ストレッチをしたり、筋力を強化したり、体重の増加を避けることも大切です。

腰痛症画像2

当クリニックでは、腰痛だから腰痛だけを診るということはしません。腰痛が出てきた経緯を詳しくお聞きします。そして腰以外、膝、脚関節、足の裏をチェックします。診療室に入室されてきたときの姿勢まで見ています。腰の単独の病気なのか、かばっているための二次的な痛みなのか、腰痛を起こす本当の原因はどこなのか考えます。

そして、わかりやすく説明し、治療の計画を立てます。納得いただければ、治療を開始します。わかりづらいことがあれば、何度でも丁寧にわかるように説明します。このように診察を勧めますので、初めての方にはお時間をいただいております。

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腰痛の診断・検査

当クリニックでは、問診・触診によって整形外科分野の腰痛か否かを判断したら、必要な検査を順次進めて診断します。椎間板ヘルニアなどの疑いがある場合は、MRI(電磁波を当てて断層撮影をする方法)などによる検査を行い、原因となる疾患を特定します。

来院される患者さんから「他院でレントゲンを撮って椎間板ヘルニアと診断されました。痛み止めを処方されて、電気も当てていましたが、なかなか良くなりません」という話をよく伺うのですが、そもそもヘルニアはレントゲンには映りません。

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ヘルニアは軟骨なので、レントゲン写真には映らないのです。中高年に多い腰部脊柱管狭窄症もレントゲンである程度は推測できますが、より詳しく診断するためにはMRIや脊髄造影などの検査が必要です。つまり腰痛は、レントゲンでは診断できないのです。私たちは、CT(コンピュータ断層撮影法)、脊髄造影検査、椎間板造影、神経根造影、MRIといった方法で検査し、腰痛の原因と、その適切な治療法を探っていきます。

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腰痛の治療法

当クリニックでは、できる限り手間をかけて、患者さん個人に合った治療をしています。腰痛は、人によって原因も痛み方もさまざまです。短期間で成果が上がる方もいれば、そうでない方もいます。だからこそ、一人ひとりと向き合った治療が大切なのです。

症状によっては、血管外科、婦人科、整形外科など、他科にまたがって、その原因の治療をすることも必要になります。クリニックのレベルを超えて高度な治療が必要な方には、地域連携がしっかり整っている病院施設の専門医に直接ご紹介します。充分な治療が完了しましたら、その後のアフターケアは、当クリニックできちんとしていきます。

個別に違う治療をして損をしないかって? いえいえ、早く良くなっていただいて、腰痛で困っている他の方に当クリニックを奨めていただければ、それで十分です。

他の整形外科が休診のため、お薬・湿布・他院処方のお薬が足りないなどの用件のみをご希望の方は、受付にお申し出ください。お時間をとらせないように対応していきます。

腰痛症は、軽度の症状なら、しばらく安静にして、予防策を心掛けていれば、痛みが治まることも少なくありません。しかし、痛みが続くときに放置しておくと、重篤な障害をもたらすことがあります。腰痛が続くときは、できるだけ早くいらして相談してください。